『身体の声の聞き方』

「身体さん」と「心さん」
今までのお話でよく「身体さん」って出てきましたよね。
「身体さん」と「心さん」と別のものであると考えると、ちょっと分かってきます。

まず、「心さん」がいろいろな生活の仕方を考えたり、時間配分したり、仕事に集中したり、勉強したりと中枢的に考える司令塔の役割を持っています。
そして「身体さん」は、その指令塔の指令の元に実際に行う実行部隊なんです。

この「心さん」は「身体さん」がちゃんと動いてくれることを見越して考える。
「身体さん」は「心さん」に、自分でできる範囲で考えるように反応しています。

この両者がうまくかみ合って「心身共に健康」となるわけですが、これを「心身一如」(しんしんいちにょ)と言い、心と身体は本来一つのものだといっています。
つまり「心」の問題は「身体」に聞き、「身体」の問題は「心」に聞き、それぞれをバラバラに考えると身体は治ってきません。
言い換えれば、別物の「身体さん」と「心さん」が一つになっている人が健康を手に入れるということなのです。

「現代人の問題点」
私たちの生活の基準は「時間」です。
何時までにやらなくてはならない、
何曜日に試合がある、
締め切りまであと何日などなど、
皆さん時計とカレンダーを中心に生活をします。これが現代人の、現代人たるゆえんなのですが、あたりまえですよね。
でも、これは「心さん」がそうさせていることで、「身体さん」は、必ずしも全て望んでいることではないのです。

今日はちょっとだるいので、仕事に行きたくないなぁー。
今度の試合までに何とかもっと鍛えないといけないが、筋肉痛でボロボロだぁー。
試験まであと日にちがない、無理してでも勉強しないと。でも眠いなぁー。
お葬式で、一日外で雑用。寒いなぁー。
運転中に、急に睡魔が。でも、事故を起こすので寝てはいけない、起きろぉー。
毎日、「身体さん」の都合では生活できません。

以前にもお話いたしましたが、この「心身一如」で毎日暮らしている方々は、お年寄りの方です。
朝は朝の過ごし方、昼間の仕事も無理をせず、入浴、食事も時間通りにと、自分のペースで、決して無理をしない、誰に教えられるわけでもないけど自然に出来るようになる。これこそ「身体の声を聞く」ということになります。

「身体の声」とは?
・暑い時には、涼をとり、決して冷やしすぎない。(体温の上昇を必要最小限に防ぐ)
・寒い時には、温かい格好で、無理に身体を使わない。(必要以上に暖めない)
・疲れた時には、ゆっくり休む。(身体の細胞の休息で回復)
・毎日リズムを崩さない規則正しい生活リズム。(睡眠、食事、仕事等がスムーズにできる)
・甘いものが食べたい時には、必要なだけ、決して余分に食べない。(甘味は脳の栄養)
・辛いものが欲しい時は、体が冷えている。(辛さは肺の栄養と体温上昇)
・急に酸っぱい物が欲しいは、代謝を良くする。(酸味は肝臓が弱った時に栄養となる)
・酸っぱいものが苦手なのに、健康のために食べるのは良くない。(身体は求めない)
・濃い味(塩分)が欲しくなるのは、命のエネルギー不足。(塩味は腎臓の力の源)
・お腹が空いたなあ。(今食べたいものが、身体が求める栄養分)
・喉が渇いた。(水分補給を求めている)
まだまだどんどん身体の声はありますが、
これらを自然に出来ることが、「身体の声を聞く」ということになるのです。

つまり、「身体さん」が、こうしてほしいよーって言っている時が、身体にとっていいことで、今一番必要としていることになります。

ただし、いつもいつも求める過剰な欲求の場合は、病的ですので改めなければなりません。
例えば、「毎晩ビール3本」「甘いもの大好き」「タバコを一日2箱」「塩分過剰」「暖め過ぎ」「冷やしすぎ」などなど「・・・しすぎ」はダメです。
「・・・しすぎ」って?どこかで・・・。
そうです、これがストレスの元になるわけです。

「お医者さんに行く前に・・・」
病気になったら、まずお医者さんに行きますよね。
でも、その前にちょっと考えてみましょう。

皆さんが、色々な症状で苦しんでいるとします
自分の症状に対してちょっと振り返ってみると
「そういえば、最近「身体さん」に無理をかけすぎているな」
って思ってください
ちょっと、「身体さん」の声を聞いてみてはどうでしょう
きっと何らかの答えを教えてくれるはずです
そして
無理をしている所を出来る限り改善して
「自分で養生しなくては」と考えれば
身体の症状は、徐々に改善されてくると思いますよ

(ただし、急性で症状がひどい場合は、早急に病院に行かなくてはなりませんが)

まとめ
・「心さん」は考える司令塔、「身体さん」は実行部隊
・この両者がうまくかみ合って「心身共に健康」これを「心身一如」
「心」の問題は「身体」に聞き、「身体」の問題は「心」に聞き、それぞれをバラバラに考えると身体は治ってきません。
・現代人は時計とカレンダーを中心に生活をします。(心さんと身体さんが一致しにくい)
・「身体さん」が、こうしてほしいよーって言っている時が、身体にとって今一番必要としていることになります。
・「・・・しすぎ」はダメです。(これがストレスの元になるわけです)
・病院に行く前に、自分の症状に対して、ちょっと振り返ってみましょう、何かが見えてきます。
・身体さんの声を聞いて、自分で養生してみましょう。